ナイトメア

 二年ぐらい前に名古屋に独り旅行をしていたときにたまたま中世ヨーロッパの有名画家の展示イベントを催していた美術館を訪れたんですよ。
 なんて名前だったか忘れましたが、人生の場面場面の喜怒哀楽が絵に表れていました。その中で時代の流れや、運命に翻弄されて流転の人生を送ったヒトみたいです。んで悪い運命をナイトメアとしてあらわしていました。ナイトメア。ヤギの頭を持つ悪魔です。

 幼い頃、母が死んだ時に泣き崩れるヒトビトの後ろに立つナイトメア。
 戦争で人が死に、土地が焼かれる絵で軍隊を後ろから操るナイトメア
 アメリカに移住したときには暗いイメージはなく明るい絵でした。
 結婚したときは暗いイメージはなく明るい絵でした。
 幼子が死んだときは再びナイトメア。
 妻が死んだときにナイトメア。
全体的に暗い絵が多かったです。

美術館の入り口に感想書き用のノートが置いてありました。ぱらぱらめくると小学生の字が書いてありました。そこには絵の隣にある解説を読んでいない素直な感想が書いてありました。
『このひとは、やぎがだいすきなんだなぁとおもいました』

この小学生の読解力がないのか、作者の表現力が足りなかったのか....